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ルール・準備・計画を駆使して自律神経を整える

  • 2019-05-22
  • 2019-06-26
  • 書籍
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会社員もアスリート並みにコンディションに留意すべし

私は、お金よりも時間よりも健康が大切だと考えている。

お金がたくさんあっても、自由な時間がたっぷりあっても、体調が悪いとまったく意味をなさない。

健康を崩しても、そのうち取り戻すことは可能だ。しかし、体調を崩してしまったことでせっかくのチャンスをつかみ損ねたこともある。

順天堂大学医学部の教授である小林 弘幸さんの著書 「一流の人をつくる 整える習慣」(KADOKAWA/中経出版、2015年)では、普段過ごしていると見過ごしがちなコンディションの整え方について、「自律神経を乱さない」という切り口から捉えている。

自律神経が乱れると感情のコントロールができなくなり、集中力が低下し、判断力も下がる。何一ついいことがない。

近年、アスリートではない一般の会社員でも健康に留意することの重要性が注目されている。本書も働き盛りの会社員にとって非常に参考となる内容だ。

以下に本書から得た気付きをまとめたい。

WHY?:なぜ自律神経を整えるのか?

誰でも、コンディションが整っていないと能力を発揮できない。

いわゆるアスリートと呼ばれる人たちが行っているトレーニングは、以下の3つに分類される

  1. ストレングス(スキルアップを目指す)
  2. コンディショニング(心身の状態を整える)
  3. ケア(ケガなどのマイナスをゼロに戻す)

アスリートでなくても①と③が大切であることはわかる。しかし、②の重要性を実感することはあまりないのではないか。

①でどれだけ厳しいトレーニングを実行し、高度なスキルを身につけたとしても、②のコンディショニングを軽視すると本番で実力を発揮できない。

コンディショニングとは、自分の能力を常に高いパフォーマンスで発揮するためのコンディション作りである。安定的に成果を出すことを求められる社会人(=プロ)なら重要なことだ。

WHAT?:自律神経を乱す行為とは何か?

本書では自律神経を乱す原因となる要素が数多く挙げられている。ここでは私が普段、やってしまいがちな行為について自戒を込めて挙げる。

何かを探す行為

例えばカバンの中や引き出しの中、クローゼットの中などが散らかっている場合、目当てのモノを見つけるのに時間がかかる。このとき、実は自律神経が乱れているという。

しかも、自律神経の乱れは、その後3~4時間ほども元に戻らない。

もしあなたが朝、家を出る前に「鍵が見つからない」と言って、焦って探していると自律神経は乱れ始める。

無事に鍵が見つかって安堵して出社できたとして、恐らく午前中はずっと自律神経が乱れっぱなしになる。こうなると、午前中の仕事で成果を出すことは難しくなってしまうだろう。

普段から自分が身につけるべきものは、置き場所を決めて置いておくこと。これは単に「散らかさない」「探す時間を減らす」だけではなく、コンディショニングの面でも重要なことだ。

目的意識がない仕事や飲み会

「目的意識がない状態」というのは人にとって非常にストレスがかかる。

例えば、自分が仕事を任されたのに、その仕事の意義やアウトプットイメージがわからない状態というのはツライ。

仕事ではなく、飲み会に誘われた場合も同様である。付き合いで参加してしまった飲み会は、実はストレスになっている。

その職場の文化にもよるが、飲み会が頻繁に開催される職場もある。日頃からコミュニケーションが取れていれば、わざわざ社外で時間を作ってコミュニケーションの場(=飲み会)を作る必要はない。

一方、普段あまり顔を合わせて仕事をする機会が少ない職場であれば、参加する価値がある。目的意識が明確だからだ。

私自身、本書を読んでからは、職場の飲み会は歓迎会・歓送会のみ参加するようになった。これまでは「ただ楽しいから」という理由で飲み会に参加していたこともあったが、生産的ではないことを改めて自覚したからだ。

その結果、特に職場でのコミュニケーションに不都合はない。

そもそも、育児や介護が理由で飲み会に参加できない人もいることもわかった。飲み会に行きたい人たちは行き、行かないと判断した人は行かない。ただそれだけの事だ。

忙しいときに慌てて行動すること

誰でも時間に追われて仕事をしていれば、慌ててしまう。しかし、慌てているときはすでに自律神経が乱れ始めているという。

その結果ミスも増え、余計に時間がかかってしまう。

このような事態を避けるためには、仕事を進める時間に余裕が必要だ。下記の記事でも取り上げた余裕(=スラック)の概念を意識することが大切だろう。

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コントロール権を手に入れる

HOW?:どのように自律神経を整えるのか?

本書では、自律神経を整える簡単な方法がいくつも紹介されている。

習慣化するまでは意識的に取り組む必要があるが、下記のような行動が習慣になればストレスの少ない生活を実現できるだろう。

1日を振り返り、ミスを成功パターンで上書きする

夜、寝る前に1日の出来事を振り返ってみて、自分がしてしまったミスを思い出してみる。その後、「こうしていればミスを防げた」という成功パターンを頭に描いてみる。次にまた同じようなミスをしそうな状況になったときに、より良く対処するためだ。

私の場合、この記事を書いているまさに今日、ある方と時間を決めてSkypeで通話する予定だった。しかし、「どちらからコールするか」を決めていなかったために通話の開始時間が過ぎても、お互いコールを待っている状態になってしまった。

事前にどちらからコールするかを決めておけば済む話だ。こんな簡単なことでも確認を怠ればミスは発生し、お互いに時間を浪費してしまう。よって今後、人と時間を決めて連絡を取る場合には「私からコールします」と宣言するだけでいい。

計画的に休む

休むことは悪いことではない。コンディションを整えるために休息は絶対に必要だ。

ただし、無計画な状態で休みをとった場合、「せっかくの休みを無駄に過ごしてしまった」という後悔に包まれることもある。

とはいえ、休みの日を充実させようと意識しすぎて、必要以上に計画を詰め込んだり、たくさんの人と会う予定を入れて有意義に過ごそうとする必要はない。

休みの日に一日中ゲームをしても、HDDに撮りためた映画を消化しても、PCでkindleコミックを読みまくる、という過ごし方が悪いわけではない。

ただ、その過ごし方は事前に決めておくべきだ。ワクワクしながらその休みを待ち構えるべきだ。自分が後悔しない時間の使い方をしよう。せっかくの休みがストレスの元になるのはもったいない。

「考える必要のないこと」をルール化する

下記リンク先の記事にもある通り、Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズ、FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグは毎日同じ服を着ていることで有名だ。

笑うメディア クレイジー

彼らは「考えるべき問題」と「考える必要のないこと」を区別している。

そして「考える必要のないこと」についてはルール化し、ストレスを軽減しているのだ。

私の場合だと、普段仕事をするときは会社で支給された作業服を着ているため、ある意味着るもので迷うことはない。

一方、社外に出かけて仕事をする場合はスーツを着るということになるが「紺のスーツ、白シャツ、ブルーのネクタイ」という組み合わせがほぼ毎回決まっている。

少しカジュアルでも許される場合は黒色のデニムパンツを履くこともあるが、いずれにせよ選択の幅は少なく、もはや選んでいるというより決まっている状態だ。

服にこだわりがなく一見スボラに見えても、大切なところに時間と集中力を使う人生を選択しているのだ。


普段、「自律神経が乱れているか?」と考えながら生活している人は少ないだろう。

しかし、本書を読み、自律神経が自分にとってどれだけ重要かを理解すれば、日頃から意識するようになる。

自分だけではなく、目の前にいる後輩や同僚に対しても、「どう声を掛ければ相手の自律神経を乱さず、最高のパフォーマンスを引き出せるだろうか?」と考えるようにもなる。

自分のコンディショニングを大切に考えることは、周りにいる人を大切に考えることにもつながるのだ。

周囲の雑音に動じない男性
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