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他人の錯覚と自分の行動力が成功確率を上げる

同じような境遇で、同じような環境で、同じような実力のはずなのに、なぜか私とは違って日の当たる道を歩む同僚がいる。

当然、本人も周りからは見えない努力をしているのだろう。でも、上手くいきすぎているように見える。

そんな人が周りにいる場合、ひょっとするとその人は「勘違いさせる力」を上手に使っているのかもしれない。

ふろむださんの著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ダイヤモンド社、2018年)では、「錯覚資産」と呼ぶ「勘違いさせる力」を上手に使う人が、どのようにして成功を手に入れていくかというプロセスが解説されている。

そして「どうすれば自分も錯覚資産が増やせるのか?」という読者の疑問にも、丁寧にかみ砕いたわかりやすい文章で答えが述べられている。

パッと見はうさん臭く思えるかもしれない。しかし実は、本書で述べてられている方法は、心理学の理論に基づいた科学的な方法であり、したがって、多くの人にとって再現性のある手法なのだ。

● 周りを勘違いさせて、人生の難易度をちょっと下げたい
心理学の理論を使って成功する方法を知りたい
● 勘違いでもなんでもいいから、とにかく成功したい

WHAT?:勘違いさせる力って何?

本書での「錯覚資産」の定義は以下の通り

重要なのは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。本書では、これを「錯覚資産」と呼ぶ。

位置No.92

つまり、周りの人が自分のことを良く思ってくれている場合、その勘違いを「資産」として利用することができるのだ。

もっとも、普段から長い時間を一緒に過ごしている恋人や家族相手に、錯覚資産を貯めることは難しい。自分の素の実力が相手にもわかっているからだ。

しかし、Facebook上の知人やTwitterフォロワーが相手の場合、自分から積極的に開示した部分だけが伝わっていく。

他にも、オンラインサロンに所属している場合、そのサロン内での言動が自分の印象=資産を形作る。

そういう意味で、SNSやオンラインサロンなどを通して素の自分を知らない相手とつながりを持てる現代は、錯覚資産を蓄えやすいと言える。

また、錯覚資産を構成する3要素として、以下が挙げられている。

  1. 錯覚の種類:ハロー効果、ヒューリスティック
  2. 錯覚の強さ:種類の掛け算
  3. 錯覚の範囲:思い浮かびやすさ

人に錯覚の効果をもたらす要素は「ハロー効果(後光効果)」や「情ヒューリスティック」などいくつもあり、本書でも例を挙げて解説されている。

これらの要素を複数用いて相乗効果でより強く錯覚させることがまず有効であり、加えてその強力な錯覚を広い範囲(=より多くの人)に与えることができれば、錯覚資産はとんでもなく大きくなる。

例えば、「とても大きな実績を持つがTwitterフォロワー数が3桁の人」と「そこそこの実績だがTwitterフォロワー数が1万人を超えている人」を比較した場合、後者の方が錯覚資産をより有効に活用できる可能性が高い。

つながりが薄い意外な人が自分のことを思い浮かべ、SNSなどでアプローチしてくれる可能性があるからだ。

WHY?:なんで勘違いさせる必要があるの?

「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。

位置No.135

周りを勘違いさせる必要がある理由は、より良い環境と実力を手に入れて成功を継続的に成し遂げるためだ。

錯覚させる力のある人は、実力をアップさせる機会に恵まれる。つまりチャンスが増える。このため、もともとは自分より高い実力をもっていた人を、錯覚の力を使って追い抜くことも不可能ではない。

加えて、一旦チャンスをものにして成功した場合、その次にチャレンジした時の成功確率も上がる。

これは、周囲の人が「前回の成功はあの人の実力によるものだ」と錯覚し、ハロー効果によってより良い環境が手に入るため、成功する確率が高まるからだ。

とはいえ、どんなに実力がある人でもチャレンジしたことが、毎回確実に成功するというものではない。

むしろ、少し背伸びする必要があるからこそ「チャレンジ」と呼ぶのであって、確実に達成できる目標に挑むのであれば、それは単なる作業だ。

成功するかどうかは運の要素が強い。もし実力が完全に伴っていても、体調が悪くなったり、家族との仲が不調になったり、異常気象でトラブルが起こったりすれば成功しないかもしれない。

したがって、成功する確率を上げるためにできることは、試行回数を増やす=いっぱいチャレンジすることだ。

自分にとって未経験のことだと「できるかどうか、わからないから」と悩むことは誰しもあるだろう。しかし、こうやってしり込みしている時間が非常にもったいない。

成功に近づくには、少しでも「できるかも」と感じたら挑戦してみるしかない。

その結果「やると言ったんだから、成果を出さないと」と考えて必死で学び、周囲に助言を仰いで奔走することになる。その過程で能力が伸びるだろうし、仮に成功できなかったとしてもそれは単なる失敗ではない。

運よく成功すればハロー効果を手に入れることができ、よりより環境で挑戦するチャンスが巡ってくるのだ。

このとき、成功したのが運によるものだったとしても、周りはそうは思わない。成功したのは実力だと勘違いするから、その実績は錯覚資産になるのである。

錯覚資産が一旦、手に入れば、先述の通り次のチャレンジの難易度は下がる。しかも自分も成長している。

したがって、より良い環境と実力を手に入れるために錯覚資産が必要なのだ。

HOW?:どうやって勘違いさせるの?

周りを勘違いさせるための錯覚資産は、「資産化のしやすさ」と「知られる努力」によって大きくすることができる。

前項で錯覚資産の構成要素を3つ挙げた

  1. 錯覚の種類:ハロー効果、ヒューリスティック
  2. 錯覚の強さ:種類の掛け算
  3. 錯覚の範囲:思い浮かびやすさ

「資産化のしやすさ」は上記の①、②に加えて「具体的な数値」「心理的なインパクトの大きさ」などが挙げられる。

「知られる努力」は上記の③を具体化するためのもので、成果をアピールするスキルを伸ばしたり、アピールする努力を続けることで伸ばすことができる。

つまり、数多く挑戦を続けて成果が出れば、それをより多くの人に届くように工夫すればいよいのだ。

私の場合、本ブログを用いて収益化を試みている。

2019年5月1日にブログを開始し、2カ月以上が経過した7月7日の時点では、残念ながらアフィリエイト報酬、アドセンス報酬ともにゼロだ。なんの実績もない。

また、ブログと並行してデザイン初心者向けのオンラインコミュニティーに入会してデザインスキルを学んでいる。

こちらもまだ自分でデザイン案件を受けたことはなく、収益化できていない。

しかし、こうやって未経験の分野で挑戦を繰り返すことにより、成功の確率はあがっているはずだ。

もし今後、ブログで収益が出る、あるいはデザイナーとして依頼を受けて収益が出る、という実績ができれば、それをSNSやブログによって拡散するつもりだ。

よくTwitterで「今月の収益報告」をしているブロガーを見かけるが、そういう人たちは収益実績の拡散により錯覚資産を大きくする活動をしていると考えられる。

うまくいけば「ブログで月〇〇万円も収益化できた」⇒「収益化のプロセスを有料noteで販売する」⇒「さらにフォロワーが増える」というサイクルを実現し、どんどん錯覚資産を積み上げていくことができるのだ。

このサイクルに入るためには、とにかくサイクルのスタート地点である「最初の実績」を手に入れる必要がある。

そのために挑戦の回数を増やし、実績がなるべく早く手に入るように心がける。「行動力がある人が成功しやすい」とはよく言われるが、その理由には錯覚資産をうまく利用できるという面もあるのだろう。


本書で著者は「錯覚資産増やし」と「スキルアップ」は車の両輪であると述べている。

やみくもに錯覚資産を増やすことだけに奔走しても、運だけでつかんだ成功を再現することは難しい。

スキルアップだけでは成功できないが、成功のサイクルを回し続けるにはスキルアップを避けて通ることはできない。

挑戦を続けながらスキルアップにも手を抜かないこと。

結局のところ、一発屋で終わらず成功を継続するカギは地道な努力に他ならないのだ。

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